「新常用漢字表」とアーカイブズ

2009/04/30 當山日出夫

国立公文書館のHPで、検索して見る。キーワードは、「常用漢字」。結果として、8件の文書がヒットする。

たったの8件、というべきか。

まあ、これはいいとして、今般の「新常用漢字表(仮称)」についての資料は、どのように、公文書として、アーカイブされるのだろうか。最低限、すべての議事録と、文字の選定に使った資料は残すべきである。そして、できれば、パブリックコメントについても。

いま、「やまもも書斎記」の方で、現在のアーカイブズ学について、苦言を呈している。現在のアーカイブズ学では、あるいは、公文書管理のシステムでは、「新常用漢字表(仮称)」の制定過程について、後世になって、検証可能な記録を残せるだろうか。

今の日本において、日本語研究の中核的存在である日本語学会が「新常用漢字表(仮称)」について、意見表明をし、それを、学会のHPに掲載している。このようなものをふくめて、WEBアーカイビングが必要であると、私は考える。記録として残さなくてもいいのだろうか。

これは、アーカイブズ学の問題でもあり、公文書管理の問題でもあり、また、委員会に課せられた最大の課題でもある。

當山日出夫(とうやまひでお)