「しょうがい」の表記

2009/05/20 當山日出夫

今日(2009/05/20)の朝日新聞のサンヤツ。朝刊の一番したにある、本の広告のこと。そのなかに、「ディスレクシア」の本が目についた。で、横をみると、同じ「ぶどう社」の刊行の本で、

『発達障がいをもつ子のいいところ応援計画』.阿部利彦
『私たち、発達障害と生きてます』.高森明・南雲明彦(ほか)

気になったので、ぶどう社のHPをみると、

『今どきしょうがい児の母親物語』.ぽれぽれくらぶ

もある。ただ、この書店の方針かもしれないが「障碍」の表記のタイトルの本はみあたらない。(書籍一覧では)。

ぶどう社
http://www.budousha.co.jp/index.htm


すくなくとも、その当事者のひとたちにとっても、種々の表記法の選択があることがわかる。それも、かなり、配慮している。あえて、「ディスレクシア」という語を使用し、「読字障害」を避けている(と、判断できる。)

ここまで、「私的」な領域での漢字使用・表記。「新常用漢字表(仮称)」で問題になるのは、「公的」な文書の問題である。では、「碍」が「新常用漢字」になった場合、どうなるか。

現行の「障害」が「障碍」に変更になるか、あるいは、選択肢が増えるにとどまるのか。現実的には、法令などは急には無理。公的な性格の文書において、選択肢が増えるということにとどまるだろう。(常用漢字の制限をうけないという名目のもとに、であるが。)

整理すると、大体以下のようになるだろうか。

(1)本来「障碍」と書いていたから「障碍」とすべき
(2)「障害」の「害」の字をつかいたくないから
2-1 「障がい」の表記を採用する
2-2 「障碍」と書く
(3)全部仮名書きにして「しょうがい」もある

そして、重要なことは、「常用漢字」の「目安」としての規範性は、どの程度意識されるだろうか、ということ。結局は、ここがポイントになる。

當山日出夫(とうやまひでお)