middle60さんにこたえて
2010-01-01 當山日出夫
たしかに難しい問題ですね。「色覚異常」が、「障碍」であるかどうか、単純に答えの出る問題ではありません。
このことについては、私のもう一つのブログ「やまもも書斎記」でふれています。
『CUDカラーユニバーサルデザイン』
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2009/05/09/4295485
色の見え方、識別が、通常とは異なっている人がいる、という認識は、より多くの人がもっていた方がいいであろう、とは個人的には思っています。みんなが同じ色を見ているわけではありません。いわゆる普通の人であっても、歳をとれば、色の感覚は変わってきます。(私の歳では、まだ影響はないはずですが、しかし、明らかに、暗くなっていることは自覚できます。月夜に外をあるくことが難しくなりました。)
色盲、色覚異常、色覚障害、色覚特性、その呼称ひとつをとってみても、いろんな人がいろんな立場でものを言っています。それぞれに、その立場を尊重したい気持ちでいます。しかし、どれかに決めろとなると難しい。
(半ば逃避的なようかもしれませんが)まずは、議論をつづけること、このことが大事だと思っています。結論をいそぐことよりも。そして、ともあれ、カラーユニバーサルデザインのあるべき方向を、みんなで探っていく、このことが重要でしょう。
ごく身近な「色」の問題から見えてくる「障碍」の課題、障碍とは、すでにあるものではなく、つくりだしてしまうものである、という認識になるのかと思う次第です。
このブログは、文字のことを専門に考えることにして作っています。文字は「かたち」をもちます。そして、「かたち」には必ず「色」があります。文字の問題を考えるとき、「色」の問題も同時に考える必要があります。
當山日出夫(とうやまひでお)