「障碍」についての見識

2010-04-05 當山日出夫

今日の朝日新聞の記事。「障害者」か「障碍者」か/常用漢字に追加求め意見
(白石明彦さん)

論点としては、これまで、ここに書いてきたこと。「障害」と書くか「障碍」と書くか、書くときの文字の問題。「害」と「碍」。

通常は、両論併記で新聞記事はすませることがおおいのであるが、この記事は、一歩ふみこんんだ記載となっている。最後に次のようにある。

いずれの結論を採るにしても、文化審議会はこの問題に対する見識を示すべきだ。害という漢字が嫌なのです、と訴える人たちのためにも。


ここで、記されている、「害」の字を嫌うひとの一つの例が、COMHBO、である。

COMHBO(地域精神保健福祉機構) NPO法人
http://www.comhbo.net/

ここで、本年、「精神障害者」の呼称と表記を考えるシンポジウム を開催している。2010年2月20日

常用漢字の委員会、文化審議会が、どのような結論を出すにせよ、それなりの見識をしめしてもらいたい、このことにまったく同感である。また、昨年、公文書管理法が成立している(施行はまだであるが)。審議会の議事録も、公的な文書として、後世に、記録資料(史料)として残るものである。現在の、我々の社会の、「障碍(障害)」に対する、姿勢が、議事録のなかに残るのである、すくなくともこの覚悟をもっておいてもらいたいものである。

結論がどうなるかよりも、きちんとした議論を行ったかどうか、このことを記録として残すこと、このことの意義を、再度考える次第である。

當山日出夫(とうやまひでお)