新常用漢字:放送の文字とは
2009/03/19 當山日出夫
「新常用漢字表(仮称)」を読んで、ふと思う疑問。
基本的な考え方として
新常用漢字表(仮称)は、現行の常用漢字表と同じく、法令・公用文書・新聞・雑誌・放送等、一般の社会生活で用いる場合の、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すものである。
とある。法令・公用文書・新聞・雑誌、までは、理解できる。ともかく「文字」で文章を書くのであるから。やや理解に苦しむのは「放送」ということ。
放送という場合、まず思い浮かべるのは、テレビだろう。そうすると、テレビにおける文字使用とは、なんだろう。ニュース番組などにおける、テロップや解説のボード、などだろう。
であるならば、これを、調査したか。
新常用漢字を決めるデータとして、テレビ番組を録画し、その中で使用される文字を調査したとは、どうしても、試案からは読み取れない。調査対象としていないものついて、これこれの文字を使用せよ/使用してはいけない、とは、私の考えとしては、論理的に無理がある。
これは、書籍の調査(凸版印刷)が、雑誌だけなのか、あるいは、一般の小説類にまでおよぶのか、とも関連する。漢字表を決めるにあたっての、データの基礎的な調査対象と、その漢字表の適応対象とが、ずれているのである。
まあ、このあたりから考え直すべきだろう。
當山日出夫(とうやまひでお)