新常用漢字:やっぱり紙がほしい

2009/03/23 當山日出夫

なんで、文化庁は、あんなドジをやるのか、意図的にならば、犯罪的ですらある。

「新常用漢字表(仮称)」の試案の「表」
・PDFは、画像ではなくて、フォント埋め込みにすべきだろう。
・画像にするにしても、もっと解像度を上げるべきだろう。あるいは、文字を直接、画像化するか。
・しかも、なんで、微妙にななめにスキャンしてしまっているのか。

というわけで、私も、文化庁に、切手を貼った封筒を送りました。

まあ、今回は、字体の細かなところには踏み込まないで、字種を中心にということかもしれない。しかし、字体(グリフ)を明確に表示しないで、字種の議論は、無理、だろう。

「しんにゅう」の「てん」が一つか二つか、弁別できればよろしい、という程度で見なさい、ということなのかな。しかし、そうであるならば、その旨を明記して、高精細で、まっすぐにスキャンしていないことを、明言しておいて欲しい。

當山日出夫(とうやまひでお)

追記 2009/03/23

アーカイブズの視点からすれば、オンラインで公開したPDF版と、文化庁でもらえる紙のものと、両方残す必要がある。将来、どのような経緯で、「新常用漢字表(仮称)」が決まったのかを、検証するための、資料(史料)を残す意味で。

文字についての議論およびその資料のアーカイビングは、いま、まさに考えなければならない時である。(というような話しを、4月のアーカイブズ学会でしようか。もう、発表予稿は出してしまったのだが、予定からそう大きくそれた話しでもないし。)