白杖の杖は必要か(追加、付記)

2009/05/21 當山日出夫

安岡さん、ありがとうございます。さっそく、芦屋市のものを確認しました。

http://www.city.ashiya.hyogo.jp/pub_come/shogaifukushi/image/shogaifukushi2009.1.15-1.pdf

ここで出てくる「杖」は、通常の(?)「つえ」ですね。これはいいとして、私が気になっていることのひとつに、視覚障害者の人がつかう、白い杖のことをどう書くか、称するか、ということがあります。

法令DBでは
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi

「つえ」は出ます。さらに絞り込んで、「盲人安全つえ」では、

消費税法施行令
人事院規則一六―三(災害を受けた職員の福祉事業)
人事院規則一六―三(災害を受けた職員の福祉事業)
戦傷病者特別援護法

がヒットします。

この「盲人安全つえ」。法的な福祉専門用語というべきでしょう。一般的な、日本語の名称は、ない、といった方がいいかもしれません。目の見えない人がつかう白いつえ、というような表現になるでしょう。(これをあらわす、一般的な語が定着していないというあたり、まず、日本における社会福祉のあり方の根本的な問題だと思いますが。)

しかし、「はくじょう」という用語も存在します。ちなみに、Googleで検索すると「白杖」でかなりヒットします。

実は、私自身、このことばを比較的最近知りました。
『そっと耳を澄ませば』(三宮麻由子.NHK出版)、また、集英社文庫版もあり、で知ったことばです。

少なくとも今の日本語では、「つえ=杖=じょう」という、つながりがないと、「白杖」=「はくじょう」が、意味をなしません。では、この「白杖」を表記するための漢字としての「杖」、必要であるかどうか。

「広場のことば」そして、社会的な公共性ということを考えるならば、社会福祉にかかわる漢字は、また、別に考えるべきでしょうか。いろいろ考えるところです。これを「白じょう」と書くのは、どうかなという気がしてしまう、というの実感ですね。

こういうことは、漢字だけの頻度調査データでは、分析できません。議事録を読んでみますと、「俺」や「伎」について、ついやす時間があれば、むしろ、「障害/しょうがい」「車いす/椅子」や、この「白杖=はくじょう」などについて議論し、それを、国民の前にオープンにすることの方が、重要であると思います。

當山日出夫(とうやまひでお)

付記

私の場合「視覚障害」の用語を基本的に使用する。これを、「目の見えない人」と言ってしまうと、完全な失明状態のみを指す可能性がある。そう思い込みかねない。実際には、極度の弱視、という例もある。おおきな字であれば見えるが、小さい普通の字では無理。これも、その程度はまちまち。
視覚障害(あるいは障碍)」の用語であれば、かなり広い範囲をふくんで表現できる。必要に応じて、さらに、細かく分類して表現すればいい。
また、「目の不自由な人」では、(私の感覚としては)単に「盲人」の言いかえにすぎない。
以上は、あくまでも、私の用語、あるいは、感じ方としてである。
また、色覚については、医学用語としての「色覚異常」を使うことにしている。「色盲」は使用しない。