障害者にかわる呼称を吹田市が募集
2009-11-01 當山日出夫
Twitterで、shalom_rajendraさんによる。
産経新聞のMSNニュース
「障害者」どう表現 吹田市が新しい呼称募集 大阪
http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/osaka/091101/osk0911010237002-n1.htm
引用すると、
「障害者」という言葉の印象にマイナスイメージがあるとして、吹田市は市の印刷物や広報紙などに「障害者」に替わる新しい呼称を使用することを決め、募集を始めた。呼称を選考する市民委員2人もあわせて募集する。
吹田市では「害」という言葉のマイナスイメージを緩和するため、今年2月から「障がい者」と表記してきた。しかし、「『障害』は個人ではなく社会の仕組みや街のあり方に存在する」との考えから、抜本的な見直しを決めたという。
「障害者」がマイナスのイメージの語でなくなることがのぞましい。だが、日本語全体でとなると、時間がかかる。
であるならば、
1.それにかわる新しい言い方にかえる
2.せめて「害」の字をさける
いずれにせよ、「ことばをかえたから障害者への差別などがなくなるわけはないから……」という、反論はあり得よう。しかし、ことばについて考えることが、社会のなかで何かを変えるきっかけになることもある。
「バリアフリー」「ユニバーサルデザイン」カタカナで書くのは嫌いという人もいるかもしれない。しかし、これらの語が社会に定着することと、これらの語であらわされる概念が社会にひろまることとは、無関係ではない。
「障害」の表記を変えたからといって、社会での「障害者」の問題がなくなるのではない……という論理が、もはや通用しないということを、改訂常用漢字表の委員会は自覚すべきである。
「碍」がはいる/はいらない、ではない。どのような論理とデータ(資料)にもとづき、どにように判断するか、そして、それが、後世のひとびとからどのように見られるか、このことが、今、問われているのである。
新しい改訂常用漢字表を使うのは、とりあえずは今の我々でもある。そして、これからの日本語のなかでもつかわれる、未来に対する責任がある。
當山日出夫(とうやまひでお)