JIS X 0213:2000 で追加の平仮名
2016-08-06 當山日出夫
いったん、草仮名、『秋萩帖』からはなれて、JIS規格票を見てみることにする。
『JIS X 0213:2000』では、平仮名もいくつか追加になっている。まず、そのことを確認しておきたい。規格票の解説にはつぎのようにある。
4.4.7 平仮名 この規格では、平仮名8文字を新たに追加している。
ここでいう8文字とは、
半濁点つきの「かきくけこ」
濁点つきの「う」
小書きの「か」「け」
である。このうち実際にエディタ……私は、今、WZ Editor9 をつかっているのだが(文字コードの設定は、UTF8)、メイリオで表示……で、現実に使用することのできるのは、「ゔ」「ゕ」「ゖ」である。半濁点つきの「かきくけこ」は単独の文字としては使用できない。(これは、エディタによって表示がことなる。後述。)
ただ、これも、ワープロ(一太郎、Word)であれば、使用可能である。単独の文字として、半濁点つきの「かきくけこ」を表示できる。日本語用ワープロとして、JIS規格に沿ってその機能があることになる。
つまり、JIS規格『0213』にはあるのだが、Unicodeにはふくまれない(合成でしめす)文字ということになる。これは、たとえば、ATOKであれば、ATOK文字パレットの「和文コード表」と「Unicode表」の違い、としてもいいかと思う。Microsoft IMEであれば、IMEパッドの「Unicode(基本多言語面)の「ひらがな」と、「JIS X 0213」の違いになる。
Unicodeでみれば、合成用の、
U+3099 濁音
U+309A 半濁音
に、どう対応するかということでもある。
Unicodeでは、この合成用の濁音・半濁音をつかって、半濁音つき「かきくけこ」を表示することになる。
JIS規格にあるからといって、Unicodeで使えるとは限らない文字、といってよいであろうか。
だから、Unicodeが文字が少なくて困るかというと、必ずしもそうではない。JIS規格にはない濁点つきの「あいういえお」でも表示が可能になっている。この意味では、より広い範囲の文字に対応しているといえよう。ちなみに試してみればわかるが、ワープロ(一太郎など)で、Unicode表から、「あ」(普通の仮名)と「゙゛」(濁点、合成用)゙をクリックすると、濁点つきの「あ」などを表示させることができる。(ただし、ここで表示してある濁点は、合成用のものではなく、単独の文字としてのものである。U+209B。コピーしてもつかえない。ブログ記事として、表示の安定のため。WZではあつかえない。)
この意味では、通常の濁点つきの仮名(がぎぐげご、など)と、合成した仮名の二種類が、Unicodeのなかでは共存することにはなる。すくなくとも、ワープロでは、使用が可能である。
なお、エディタでどのように表示するかは、製品によってことなるようである。私の使用している、WZ(9)、MIFES(10)、では正しく合成を表示しない。しかし、EmEditorでは、意図したとおりに表示される。使う機能によって、エディタを選ぶべきかもしれない。私の場合、通常の文章……ブログに書いたり……であるならば、一番このみにあっているのはWZなので、それを使うことにしているが。