JIS X 0213:2000 で追加の片仮名

2016-08-07 當山日出夫

昨日は、平仮名について見たので、今日は片仮名である。『JIS X 0213:2000』で追加の片仮名については、


4.4.8 この規格では、片仮名29文字を新たに追加している。


とある。以下の文字である。


カ〜コ 半濁点つき
ワ〜ヲ 濁点つき
セ〜ト 半濁点つき
ク〜ロ 小書き


これらは、ガ行鼻濁音、外来語表記、それから、アイヌ語表記のための文字である。このうち、濁音つきの「ワ〜ヲ」は、「ヷ、ヸ、ヹ、ヺ」として、見ることができる。Unicodeにある。しかし、これら以外の仮名は、Unicodeの片仮名の一覧のなかにはない。


ワ行濁音のうち「ヴ」は、もとから『0208』にある文字なので、『0213』の追加にならない。


ATOK和文コード表」の「ひらがな/カタカナ」の一覧を見ると、半濁点つきの「カ、キ、ク、ケ、コ」「セ、ツ、ト」、それから小書きの「ク、シ、ス、ト、ヌ、ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ、プ、ム、ラ、リ、ル、レ、ロ」があるのだが、Unicodeの方の片仮名にははいっていない。(追記、2016-08-08、これは間違い。片仮名拡張領域として、はいっていることを確認。安岡さんのご指摘によります。)


ここで、日本語の片仮名をつかって(それに工夫をほどこして)、アイヌ語を書くことの妥当性、という問題があるのかもしれない。だが、ここでは、その問題は、おいておく。


問題は、JIS規格にある文字(平仮名、片仮名)であっても、それが必ずしもUnicodeにはいっているとはかぎらない、ということである。Unicodeは、JIS規格を完全に継承しているものではない。これは、平仮名・片仮名についていえることである。