0208と0213とUnicode

2016-08-08 當山日出夫


みてきたように、仮名といっても、文字セットによってちがいがある。二つのことを考えてみる。


第一に、『JIS X 0208』から『JIS X 0213』への変化においては、文字の追加がある。『0213』の方が使える文字が増えている。一般に、日本語ワープロで使う文字(仮名)としては、基本的にこの文字セットを考えることになるだろう。『0213』の文字を考えることになる。


第二に、ユニコードになったからといって、文字が増えるとは限らない。こと仮名についていえばそうである。(追記、これは間違いでした。後述参照。)


以上の二点であるが、第二の点も、整理すれば、基本的に次の三つの点になる。


(1).
半濁音つきの仮名が、ユニコードにはいっていない。もともとの『0208』にあったものは入っているが、『0213』で追加になったものは、収録されていない。
半濁音が使用されるのは、
[1]ガ行鼻濁音の表記
[2]アイヌ語の表記
である。
これらの、ガ行鼻濁音・アイヌ語の表記に必要な、半濁音つき仮名がない。これは、実際の運用としては、合成用の反濁音と一緒につかえばいい、ということになる。この意味では、かならずしも排除したということにはならないかもしれない。


(2).
小書きの仮名(片仮名)が、ユニコードにはない。これは、アイヌ語用に『0213』で採録されたものである。つまり、ユニコードをつかう範囲においては、アイヌ語の片仮名表記ができないことになる。(追記、これは間違い。片仮名拡張領域にはいっている。安岡さん、ご指摘ありがとうございます。ただ、片仮名と片仮名拡張と分離されていたので、気づきませんでした。申し訳ありません。)


(3).
『0213』からユニコードになったものとしては、
平仮名では、ゔ ゕ ゖ
片仮名では、ヷ、ヸ、ヹ、ヺ
ということになる。
これは、平仮名と片仮名の対応、それから、外来語表記に配慮した文字の選択と考えることができよう。