増えた文字をどう入力するか−Microsoft IMEの場合

2016-08-11 當山日出夫


Microsoft IMEの場合をみてみることにする。


ただ、私の使っているバージョンは不明。というよりも、今のMSIMEは、そのバージョンを明示しないようになっている。試しに、グーグルで検索してみると、Microsoft IMEのバージョンの確認方法について、かなりの質問があることがわかる。


私の使っているものを見ておけば……Windows10マシンを買ったときに、MS-OFFICEの2013版を一緒に買った。その後、それが自動的にアップデートして、今では、2016版になっている。そのなかで使っているMSIMEである。(だから、たぶん、最新版なんだろうと思っているのだが。)


先に見た、ATOKの場合と同じように順番に見ていくことにする。ワープロは、Word2016である。


1.半濁点について


ガ行鼻濁音用の半濁点は、入力可能である。「KA」から、「か」(半濁音)が候補に出てくる。ただし、「環境依存」という注意とともにであるが。同様に、半濁音の、き(KI)、く(KU)、け(KE)、こ(KO)も、出てくる。同様に、片仮名(半濁音)の、カ、キ、ク、ケ、コ、も入力(変換)可能である。


アイヌ語用の仮名については、セ(SE)、ツ(TU)、ト(TO)、で半濁音の片仮名に変換できる。


2.濁点について


「ヴ」に対応する平仮名の「ゔ」(「う」濁点)は、「VU」から変換できる。


ワ行については、ヷ(VA)、ヸ(VI)、ヹ(VE)、ヺ(VO)で可能である。


3.小書きの仮名について


小書きの「か」「け」は、「LKA」では入力できない。しかし、「ゕ」(KA)、「ゖ」(KE)と、通常の仮名の変換候補のなかに入っている。


アイヌ語用の小書き片仮名についても、同様。「L」をつけたローマ字入力からでは出ないが、通常の仮名の返還候補のなかに入っている。たとえば、「TO」から「ㇳ」(小書き片仮名)が出てくるし、「PU」から「プ」(小書き片仮名)が出てくる、というように、である。


4.IMEパッド


IMEパッドから、文字をクリックして入力することも可能である。これも、Unicodeと『JIS X 0213』、と両方のコード表を見ることができるので、ここから文字を選ぶことも可能である。ただ、これも、ATOKの文字パレットと同様に、その文字が、そこにあることをあらかじめ知識として知っていないと使えないということがある。また、これをつかうためには、ATOK文字パレットと同じであるが、JIS規格『0213』で入っている文字と、Unicodeに入っいる文字の違いを理解していないと、使いこなすことができない。あらかじめ、文字と文字コードの知識があることを前提とした利用をすることになる。


このように、ATOKと、Microsoft IMEを、比べてみると、こと0213・ユニコードの増加文字については、Microsoft IMEの方が、きちんと対応していることがわかる。


ただし、問題点がないではない。Wordは、ユニコードワープロである。そのため、ユニコードで表示する。上記の、半濁音の仮名(ガ行鼻濁音、アイヌ語)は、Wordでは、合成した結果で表示している。JIS規格の仮名(単独の一文字)で表示しているのではない。したがって、Wordで表示されている文字(半濁音)を、一太郎にコピーしても、大丈夫で、同じように表示するのだが、他のエディタにコピーした場合、合成が分離してしまうことがある。


これは、IMEパッドから、JISコード表をクリックして、追加の半濁音仮名を入力してもそうなる。ただし、既存の、「ぱぴぷぺぽパピプペぽ」については、問題ない。また、文字単独ではいっている「ヷヸヹヺ」「ゔ」(濁音)についても問題はない。


現に、この文章は、WZ Write 2 で書いているのだが、ここに、Wordでの文字(半濁音)をコピーしてもってきたら、表示が乱れてしまう。ブログ記事であるので、各人のパソコン環境でどう見えるかわからない。ここで書いているときは、意図的に、半濁音の仮名はつかわないようにしている。


要するに、『JIS X 0213』、ユニコードで、増えた半濁音仮名については、要注意であるということになる。