『戦後日本漢字史』

2011-02-07 當山日出夫やまもも書斎記の方にも書いたが、こちらにも。 阿辻哲次.『戦後日本漢字史』(新潮選書).新潮社.2011目次は、第1章 終戦と漢字第2章 常用漢字表への道のり第3章 「書く」時代から「打つ」時代へ第4章 「常用漢字表」の改定 と、ざ…

『解釈と鑑賞』特集:いま、漢字は

2011-01-20 當山日出夫ひさしぶりに書く。 雑誌『国文学 解釈と鑑賞』の2011年1月号が、「特集:いま、漢字は」となっている。漢字の特集である。もちろん、今般の改定常用漢字表の件をふまえたものとなっている。このうち、改定常用漢字表にかかわるところ…

第5回WS:文字のチラシができました

2010-07-22 當山日出夫第5回ワークショップ:文字―「現実」から見た改定常用漢字表―このチラシができました。以下のURL(WSのHP)からダウンロードしてください。PDF。https://sites.google.com/site/mojiken/activities/5th_ws當山日出夫(とうやまひでお)

第5回ワークショップ:文字―「現実」から見た改定常用漢字表―

2010-07-18 當山日出夫文字研究会の詳細版が決まりました。詳しくは、次のURLhttps://sites.google.com/site/mojiken/activities/5th_ws 第5回ワークショップ:文字―「現実」から見た改定常用漢字表― 日時 2010年8月11日(水)場所 東洋大学白山キャンパス 6…

「障碍」についての見識

2010-04-05 當山日出夫今日の朝日新聞の記事。「障害者」か「障碍者」か/常用漢字に追加求め意見 (白石明彦さん)論点としては、これまで、ここに書いてきたこと。「障害」と書くか「障碍」と書くか、書くときの文字の問題。「害」と「碍」。通常は、両論…

なぜ明朝体なのか

2010-03-25 當山日出夫改定常用漢字表も、新たな展開を見せているようである。 もじのなまえ 2010年3月24日 第40回漢字小委員会で、情報機器に配慮した修正案を提示 http://d.hatena.ne.jp/ogwata/20100324 このことは、JIS漢字についての議論のとき、もう10…

東洋学へのコンピュータ利用

2010-03-18 當山日出夫しばらく、こちらのブログの方からとおざかってしまっていた。再開である。 まずは、明日のセミナーから(おくればせながら)。 東洋学へのコンピュータ利用第21回研究セミナー とき:2010 年3月19日(金)10:00〜17:10ところ:京都大学人…

常用漢字、今年はどうなるか

2010-01-02 當山日出夫どうも、ディスプレイの文字がぼやけて見える、これはパソコン(あるいはOS)のせいだと思っていたら、どうやら眼鏡があっていなかったらしい。まったく、歳はとりたくないものである。ところで、いよいよ2010年は、常用漢字改定の年…

middle60さんにこたえて

2010-01-01 當山日出夫たしかに難しい問題ですね。「色覚異常」が、「障碍」であるかどうか、単純に答えの出る問題ではありません。このことについては、私のもう一つのブログ「やまもも書斎記」でふれています。 『CUDカラーユニバーサルデザイン』 http://…

第4回ワークショップ:文字―言語生活のなかの文字―

2009-12-17 當山日出夫文字研究会の第1回の研究会。そして、「ワークショップ文字」としては、第4回の開催になります。文字研究会 https://sites.google.com/site/mojiken/ 日時 2010年1月30日(土) 場所 国立国語研究所 多目的室 入場無料 参加の事前登録…

障碍の表記の当事者はみんなである

2009-12-17 當山日出夫豊田徳治郎さんのことが、朝日新聞に掲載になっていらい、そのブログが賑わいをみせている。まずは、議論をおこすこと、これが大事であると思う。tokujirouの日記 http://d.hatena.ne.jp/tokujirou/20091201/1259622095 世の中には、こ…

『新常用漢字表の文字論』刊行

2009-12-06 當山日出夫やっと刊行になったので、まず、この件のみを記しておきたい。文字研究会(篇).『新常用漢字表の文字論』.勉誠出版.2009 目次この論集の執筆と組版について(當山日出夫) 新常用漢字表と文字論の可能性(當山日出夫) 一般キャラ…

『群像』12月号:活版印刷の記憶

2009-11-16 當山日出夫日本の活版印刷の歴史、たかだか1世紀半ほどのものである。それを、「日本語」と「書物」と「表記」の全体にわたる問題として、そんなに、とりざたするほどのことなのであろうか。と、いうのが、いつわらざる印象である。雑誌『群像』…

障害者にかわる呼称を吹田市が募集

2009-11-01 當山日出夫Twitterで、shalom_rajendraさんによる。産経新聞のMSNニュース「障害者」どう表現 吹田市が新しい呼称募集 大阪http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/osaka/091101/osk0911010237002-n1.htm引用すると、 「障害者」という言葉の印象…

障碍:用語を変えると意識も変わる

2009-10-31 當山日出夫まず、引用から。 日本の医療現場では「抑制」という医学用語がよく使われていた。簡単に言えばベッドに縛りつけることだ。ところが、これは非人間的だと考えた医師がいて、その医師はそれまで「抑制」と書かれていた看護日誌に「縛っ…

排泄について考える

昨日の朝日新聞(2009年10月23日、夕刊、大阪版)、『ニッポン人脈記』第1回。今回のシリーズのテーマは「排泄と尊厳」。南田陽子と長門裕之のものがたり。その最後の方、一部、引用する、 排泄は人間が生きる上で最も大切な生理現象だ。大手衛生用品メーカ…

常用漢字表という名称

2009-10-23 當山日出夫いまのところ、報道のサイトなどによると、名称は、「常用漢字表」を踏襲するとのこと。まあ、「目安」としての基本が変わらないということを、より強く印象づける、あるいは、別の名称を選択したときの混乱を回避する、というあたりが…

さて、字種の候補変更だが

2009-10-23 當山日出夫すでに、報じているのが毎日新聞(管見の範囲で) http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091023dde001040060000c.html10月23日(今日だ)の、漢字小委員会のこととして。案に、追加が、次の9字。 柿哺楷睦釜賂勾錮毀削除が、次の4字…

洒落と酒落

2009-10-05 當山日出夫Twitterからのネタ。 「洒落」を「酒落」と書く、まあ、手書きの文字であれば、単なるミスでご愛敬。しかし、Googleで検索すると、誤字(誤変換?)とは、思えない例が出てくる。おそらく、「しゃれ→洒落」と変換せずに、一字づつ入力…

戦後日本 漢字事件簿(その四)

2009-09-22 當山日出夫さきほど、NHK教育、知る楽 歴史は眠らない 戦後日本漢字事件簿、を見終わったところ。二・三をとばして、いきなり四になってしまったが。さて、この最終回は、いつ編集したのだろうか。裁判員制度のもとでの法律用語、内閣法制局の「…

ことばの唯一無二性についておもうこと

2009-09-22 當山日出夫 北村薫の「ベッキーさん」シリーズの最初の方にこのような記述がある。 主人公(わたし)が、運転手の別宮(ベッキーさん)に話しかける場面である。 「ベッキーさん、お名前の《みつ子》の《みつ》の字はどう、書くの?」 「ひらがな…

手書きの「謎」点は一つの例

2009-09-13 當山日出夫http://www.library.pref.osaka.jp/central/syogaigakusyu/2103POP.html大阪府立図書館 本のPOP広場 平成20年度の作品『ガリレオ』 天才科学者が謎に挑むこの「謎」の字、「しんにゅう」の手はひとつ。オープンで見られる、手書き文字…

リテラシー史研究

2009-09-12 當山日出夫かねてより注目していた研究活動の一つに、リテラシー史がある(早稲田大学の和田敦彦研究室)その機関誌の第一号が、早稲田大学の機関リポジトリで読める。和田敦彦さんより教えてもらった。ありがとうございます。http://dspace.wul.…

国語に関する世論調査

2009-09-11 當山日出夫新常用漢字表(仮称)について議論がある一方で、このような調査結果もある。参考までに。すでに、新聞などでは、一部が記事になっている。文化庁 平成20年度「国語に関する世論調査」の結果についてhttp://www.bunka.go.jp/kokugo_nih…

内閣法制局の要請と「しんにゅう」:各新聞社の報道

2009-09-09 當山日出夫とりあえず、リンクだけつないでみる。いずれ、切れることは分かっているが、しばらくの間は、なんとかなるだろう。 ・「しんにゅう」をめぐる字体の問題 ・内閣法制局からの字体追加の要請 ・今後の日程がどうなるか それぞれに、触れ…

祖・ネ且・示且

2009-09-08 當山日出夫小形さんの「もじのなまえ」にさっそくアクセスして、資料を見る。小熊さん、小形さんに感謝。http://d.hatena.ne.jp/ogwata/20090908 許容字体の表示法、これは理解できるのだが、そうすると、「祖」はこれでいいのだろうか。まず、確…

裁判員と漢字:賄賂は必要であるか

2009-09-08 當山日出夫kazehakaseからの情報。やはり、Twitterは便利、すくなくとも速報性について。 ヤフーニュース(時事通信) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090908-00000045-jij-pol内閣法制局からの要請、というか、なんで今更、という気もしな…

戦後日本 漢字事件簿(その一)

2009-09-07 當山日出夫これは、本の方を読んでの感想。円満字二郎.「戦後日本 漢字事件簿」.『NHK知る楽 歴史は眠らない』.2009年8-9月.2009.日本放送出版協会 http://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=0130&webCode=61895252009誰のための、何…

書籍への平等なアクセス

2009-09-07 當山日出夫「文字」というものを考えるとき、リテラシとメディアの問題はかかせないと思っている。 この件、「やまもも書斎記」にも書いた。やまもも書斎記 http://yamamomo.asablo.jp/blog/2009/09/07/4566967CNET Japan 書籍への平等なアクセス…

「読むこと」に困難がある人へのサービスを考える

2009-09-05 當山日出夫「文字」について考えるとき、「書物」について考えることは不可分であると考えます。以下の研究会を紹介します。日本図書館研究会の研究会です。 2009年11月29日(日) 大阪府立男女参画・青少年センター(ドーンセンター) 2009年度…